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- 2025/01/15(水) 20:14:17|
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1-3へ ▼目次▼ 1-4へ
この島ではなにもしなくても生きていける。
真っ白なシーツの上に身を横たえたヒビキは、天井を眺めながらそんなことを考える。環境に生かされているだけなら家畜と同じだ。
ヒビキは本物の家畜を目にしたことはないけれど。
いうまでもなく、この島には少女達しかいない。時折気まぐれな渡り鳥が島の上空を横切ることがあっても、彼らがここに降り立つことはない。危険な敵のいないこの島は、渡り鳥にとっては絶好の休息所であるはずなのに。
「飛べなくなってしまうのかしら」
指輪島は一年を通じて、温暖で寝るときにも薄い毛布を羽織るだけで十分なほどだ。植物も、その種類を数え切れないほどだ。
むかしからこの島にいるナチュラルさんも、不意に出かけてしばらく帰ってこないシロも、この島のすべての木や草を知っているわけではないだろう。
年少組のヨウは自分と家族(彼女はこの島の暮らすすべてのものを家族と定義しているらしい)がたのしくすごせればほかのことはあまり興味を示さない。
この島に『あらわれた』のが一年前のヒビキは身体を動かすことがひどく億劫で館の中にある自室か、図書館といっていいほどの大きさのある書斎で本を読んで過ごしている。
「よっ」
「シロ……」
シロはその名の通り、なにもかも真っ白に塗りつぶしていく太陽のようで、ヒビキは少しだけ苦手だ。
「あの子は?」
シロは尋ねながらも、ヒビキの横たわったベッドをくるくると歩き回る。
「あの子って……なんのこと?」
ヒビキが嘆息しながらシロの方を向こうとすると、居ない。
神出鬼没はシロの最大の特徴だ。今更驚くようなことでもない。
「いないねぇ」
ヒビキの下から声がする。シロはヒビキの視界から外れているときにベッドの下に潜り込んだようだった。
「新しい子が、『あらわれた』よ。この部屋にいると思ったんだけど」
「そう」
「あら、驚かないね」
「この島に来てから一年しかたっていないから」
「本には、この島のことなんてぜったいに書いてない」
「本を読まないのになぜ断言できなるの?」
「この島について、本を書こうなんて考える人が居ないからだよ!」
ベッドの下からはい出してきたシロは、なぜか胸を張って言う。
「そんなことはないと思うけど……」
長姉に当たるナチュラルさんは、ああ見えてなかなか思慮深い。彼女なら、この島についての細々したことを手記にまとめていてもおかしくはない。
「ナチュラルさんはもしかしたら日記をつけているかも知れないけれど……ぜったいに見せてくれないよ」
「そうね」
シロは膝のあたりを手のひらで払った。そんなことをしなくても、館は隅々まで磨き上げられていて埃ひとつ落ちていない。
「ん、たまにはベッドからでて、館の中探検しに行こうよ」
「いやよ」
「新しい子にあいたくないの?」
「あとであうわ」
「ヒビキ最近ヨウにも会ってないでしょう」
「この間書斎に行ったら昼寝してた」
「叫ぶ岩を探しに行ってる間にそんなことがあったの」
「曇りがちな日はいつも書斎に昼寝しに来るそうよ……大辞典を枕代わりにしてた」
書斎の一角を占拠している大辞典は、ヒビキが抱えなければ持ち上げられないような巨大な布張りの古びたものだ。ヨウはわざわざそれを引っ張り出してきて机の上に置いて枕代わりにして寝ている。
(この古い本の匂いが安心するんだよ)
ヨウが満面の笑みを浮かべて言った言葉を思い出すと、ヒビキの頭の奥がきりきりと痛む。ようやく辞典の上にカバー代わりにタオルを敷くようにはなってくれたけれど。
もっとも、ヒビキにはその辞典に書かれている文字が読めない。遠い異国の古い文字なのだろう。右から読むのかそれとも左からか、それすらも判別しない。
「ヒビキといい、ヨウといい、本が本当に好きなんだね」
シロはヒビキと話し込もうと決めたのかベッドの端に腰掛けた。
勢いよく腰掛けたように見えたが、ベッドは少しもゆれなかった。
「あの子のは少し違うと思うけれど」
シロはまるで体重がないみたいだ。
来月9日から10日にかけて、横浜に行くことになりました。
一泊二日の小旅行です。勤めている会社の保養所(アパートの一室を借り上げている模様)にとまって、いろいろ見て回りたいと思っています。
会社の保養所には、愉快は思い出がいくつかあるので今回はなにが起きるのか楽しみでしかたありません。
さて、横浜といえば中華街にラーメン博物館、海の見える公園(そんな名前?)くらいしかイメージを持っていないわたしです。
そして、わたしが横浜を訪れるのは、今年の旧正月の元旦から三日目にあたる日です。本当は元旦に横浜中華街を訪れたかったのですが、あいにくその日は平日なのです。
旧正月。
なんて魅惑的な言葉なのでしょう。太陽暦の正月から、およそひと月たってふたたび正月気分を味わえるなんてなかなか乙なものではないのでしょうか。
桃まんじゅうをただで配っているというのは本当なのでしょうか? 爆竹が鳴り響き、龍が踊るというのは?
真相は、ほぼ一ヶ月後の『セシルと踊ろう』にて。
乞うご期待!
1-2へ ▼目次▼
ナチュラルさんは、この島に『あらわれた』最初の少女だ。自分ではもう少女というような歳でもないと思っているが、あらわれた当初は少女だったことには変わりはない。
様々な少女がこの島に『あらわれ』、いずこか、自分の向かうべき場所へ向かって消えていった。
少女達は突然にあらわれ、ある日突然に消えて無くなる。
「あの子は、足輪がいらなくなった」
ナチュラルさんは、島から消えていった少女のことをそう言っている。
足輪は、未来にほかになにも持たない少女達が浮かんでいかないために必要なものだ。足輪には継ぎ目が無く、取り立ててそれ自体の重さを感じることもない。けれども、足輪がなければ自分たちがふわふわ浮いていってしまうことに異論をはさんだ少女は今のところいない。
「あの子、今頃どうしてるのかしら」
「ろろろろ? 誰のこと」
いつものように早朝の風見の糖で物思いにふけっていたナチュラルさんに後ろから抱きついてくるものがあった。
「ぅわっ……落ち……落ち……落ち着きなさい、わたし!」
この島の少女は高いところから落下して怪我をするということはない。足輪のはまった両足を下にしてゆっくりと降下していくだけだ。
それでも、落下に対する本能的な恐怖は、ナチュラルさんに染みついている。もっともそれはこの島の少女全員について言えることなのだけれども。
「シロ、あなたいままでどこに!」
「叫ぶ岩を探してたんだよ」
いつまでたってもナチュラルさんの肩胛骨のあたりまでしか背丈のないこの少女こそがついさっきまでナチュラルさんが『足輪のいらなくなった』と思っていた少女である。
シロはもう七日間も、少女達の共同の住居に姿を現さなかった。
「新しい子が来たんでしょう? 叫ぶ岩が教えてくれた!」
シロは高所に対する恐怖などまったく感じていないようで、欄干の上に立って錆びた青銅の風見鶏の真似をしている。
叫ぶ岩のことは、ナチュラルさんにもわからない。それとなく聞いても、シロは
「叫ぶ岩だよ。星の見える夜はきこえるよね?」
などというばかりでさっぱり要領を得ない。ほかの少女達に聞いても頭を振るばかりだ。
「新しく来た子は館に?」
ナチュラルさんの知る限り一度も自発的に梳かしたことのない髪の毛は、主であるシロの精神を表すかのようにあちこち好き放題に跳ねている。
「まぁ、そうだけど」
「目はさました?」
「さましたような、さましていないような……」
この島に『あらわれた』少女は、最初の一日から二日は夢現の状態のまますごす。
「じゃあ、元気づけてあげないとね!」
その見た目と言動からは推し量れないが、シロはナチュラルさんに次いで長くこの島にいる。『あらわれた』少女を元気づけるのはいつだってシロの役目だ。
「よーし! いくぞー!」
呆気にとられたナチュラルさんをおいて、シロは一人で盛り上がりながら風見の塔の階段を足音も軽やかに下りていった。
そういえば、シロは一体いつのまに風見の塔の九十二段ある階段を上ってきたのだろうか?
1-2へ ▼目次▼
こんにちは
少し前にJ-WAVE CHRISTMAS LIVE@TOKYO CITY VIERのことを書いたのですが
それを検索してこのブログに来る方がかなり多いのでこちらに改めて案内を書きたいと思います。
★★(J-WAVE内のイベントの詳細ページ)★★
http://www.j-wave.co.jp/event/1094-200712.htm#pagetop
(ちょっとくどかったかな?)
以下はわたしの個人的意見です。
ひとつ。ロッカーの使用可能時間は要チェック!!
東京タワーの消灯時間である24時にはロッカーまでの自動ドアが閉鎖されている事が多いので、展望台に行くときは六本木ヒルズ内のロッカーは使用しない方がよいとおもいます。彼女と買い物をした際は、そっと持ってあげる優しさがほしいところですね。
でないと、夜半過ぎのヒルズ内を駆け回って警備員さんに呼び止められることになります(経験者談……わたしと友人なのですが)
実際には警備員さんに通してもらえますが、ちょっとかっこうわるいし、警備員さんにもわるいのでさけたほうがいいです。
あとひとつ。コンビニのチケット売る機械(ロッピーとか)でチケットを買っておくと1200円で入れます。
以前の日記では、前売り券を買っておけば多少早く入れるかも知れないと書いていますが、今回のイベントに伴いどのように入場者をさばいているかはわかりません。
でも、招待券などがもらえなかった方はぜったいに事前にチケットを用意しておいた方がよいと思います。
イベントに行かれたみなさんが、心からたのしい時間を過ごされることをお祈りしています。
こうたったー!
こうたったよー!!
あ、はじめまして。そして、お久しぶりです。
前回の更新から一週間以上が経過していたのですね。
色々変わったことがあった充実した一週間でしたが、あなたはどうでしたか?
たのしかったでしょうか? 苦しかったでしょうか?
なんだか一年のふりか襟のようなムードになってしまいましたが、当ブログ「セシルと踊ろう」は今年はまだ更新していく予定です。
よかったまた遊びに来てくださいね。
あ、締めの言葉みたいですね。
今日はタイトル通り球体関節人形の写真集を購入したのです。
漫画家やイラストレーターになりたい方向けの「季刊エス」という雑誌を時折読んでいます。
わたしは、小説家志望なのですが若い人たちに支持されているという点では圧倒的に漫画のほうに軍配が上がると思います。
漫画家志望の方へのアドバイスに満ちた雑誌は、わたしにとってもいい刺激になるのです。
その最新号である2008年1月号において、天野 可淡という人形作家さんの作品が紹介されていました。
天野可淡さんについては、検索していただければたくさん熱心なファンの方々がいらっしゃるのでその魅力を語ることはしません。天野可淡さんの製作した人形達の姿を収めた写真集が二冊、ほぼ同時に復刊されたのです。
わたしは取り急ぎ書店に注文してしまいました。
あなたも天野可淡の世界に耽溺してみませんか?