四年くらい前に編集者をしている知人に(あくまで知人として)プロットを提出して
「悪くないけど……これ書ききれるの?」といわれたものです。
躍起になって書こうと意気込みましたが、当時はやっぱり途中で挫折してしまいました。
今なら完成させられるかな?
―1―
ヒナタの帰還
人など居るはずもない小さな丘の向こうから、ラジオの音が聞こえてくる。
人類がまだ地球上の支配者として、我が物顔で活動していた頃の、故郷を唄った歌。それは、聞く者が皆無になってからも、いまも変わらず地上に音楽を送りつづけている人工衛星からのものだ。
「~~♪」
ヒナタは、のんきに鼻歌をうたいながら歩いている。ヒナタのあとについて、赤いチョッキを着せられた子豚が時折小走りになってついてくる。
子豚も音楽を楽しんでいるかのように時折ブヒブヒと鼻を鳴らす。
二人……一人と一匹の歩いているのは、荒々しい自然がむき出しになったような荒野だ。人間の目には、植物さえまばらな荒涼とした景色に見えるが、実際には、あらゆる生命がここで文字通り死力を尽くしてしのぎを削っている。
そんな、荒々しい世界を、妙に分厚い生地のコートを着込んだヒナタと、赤いチョッキのブターは、鼻歌交じりに歩いている。
ふと、音楽が鳴りやむ。
…………
長いので続きはこちらで
http://texpo.jp/texpo/disp/24670
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- 2009/07/17(金) 23:14:35|
- 日記|
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